地盤・岩盤構造物の安定と崩壊のメカニズムを実験と解析から解き明かす!
地盤は全てのものを支える「縁の下の力持ち」です.しかし,ひとたび豪雨や地震に見舞われると,崖崩れや液状化を起こし,災害の原因にもなります.施工学研究室では,主に地盤(土・岩石)を対象に以下の研究を行っています.
現在,NATM工法(New Austrian Tunneling Method)が標準的なトンネル施工法として採用されています.より科学的な設計・施工法の確立のためには,トンネルや地下空洞の力学挙動を解明する必要があります.理論的考察,有限要素法や個別要素法を利用した数値解析によるトンネル掘削シミュレーション,模型実験を通じて,トンネルや地下空洞の力学挙動の研究を行っています.
地震や豪雨時に発生する斜面崩壊や何の前触れもなく発生する落石などは,人命にかかわる被害を及ぼすことがあります.それらの発生・運動機構の解明とモデル化をおこなって,斜面崩壊の機構解明や影響を評価し,防災・減災・避災のための方策立案に役立てます.
極めて堅硬であるようにみえる岩盤にも,大小様々の不連続面が存在しています.福井県越前海岸岩盤崩落(1989年)や北海道豊浜トンネル岩盤崩落(1996年)の例からもわかるように,何の前触れもなく突如として崩壊することがあります.岩盤斜面の安定性評価と崩壊の予知技術の確立は防災上重要な問題です.力学解析ばかりでなく,リスク工学の面からも研究を進めています.